ヴェル×リリ
ちらりと覗いたきみの本音
サチコ様
Illustlated by サチコ様

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「こいつはなんに使うんだ?」
「え、どれのことよ?」
 日頃、整理の苦手なリリーである。依頼の品を取りに来た、というヴェルナーの為にフォルメル織布をありったけ探していたのだが、呼びかけられ流石に顔を上げた。
「この石・・・・・・というか、結晶になってるな。こいつのことだ」
 ヴェルナーが掲げて見せたのはグラビ石というものを結晶化させたものだった。
「ああ、それね。グラビ結晶っていうのよ」
「なんに使うんだ?」
「もともと、グラビ石っていうのはふわふわ雲みたいに浮く石なんだけど、結晶化させると何倍も力を持つの。ものを浮かせる時に使ったりなんてするわね」
「軽くなるのか?」
「そうよ。モンスターから逃げやすくなったり、後は空とぶじゅうたんとかも作れちゃうんだから!」
 ふふん、とリリーは胸を張る。
「へぇ、こいつも売り物か?」
「あら、何?欲しいの、ヴェルナー?」
「ああ。構わねぇか?」
「いいけど。それは余りだし。でも何に使うのよ?空とぶじゅうたんでも作る・・・・・・わけないわよね。他にアードラの羽がいるし、ヴぇルナーは錬金術師でもないし」
 漸くお目当ての枚数のフォルメル織布を見つけ出して手早くまとめたリリーは、不思議そうな顔をしながらもこれを手渡した。
「はい、依頼の品よ。一緒にグラビ結晶ももっていっていいわ」
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よー・・・・・・確かに、受け取った。ちなみにグラビ結晶とやらはいくらなんだ?」
「そうねぇ、金貨100枚!といいたいところだけど、何に使うか教えてくれるなら別におまけでつけてもいいわよ?」
 金貨100枚とは大げさな発言だったが、もとより御代を取る気のないリリーである。何せ、調合の余りだ。日頃お得意様であるし、何より相手がヴェルナーということもある。適当な理由をつけてプレゼントをするにやぶさかでない。
「何に使うのかって?」
「うん。教えたくないなら別だけど」
「いや、どうせ今すぐ使ってみるから問題ねぇよ」
「今すぐ?」
 リリーが首をかしげていると、ふいに引き寄せられた。
「なに?」
「こうやって使うんだ」
 にやり、と笑ってリリーの体を持ち上げる。
 なるほどグラビ結晶の力を借りているだけあって、リリーの体は抵抗もせずふわりと持ち上がった。
「ちょ、ちょっと、ヴェルナー!」
「おお、軽い軽い」
 ひゅう、とヴェルナーが口笛を吹く。
「こいつを使えばお前の重いケツも煙みたいに軽くなるんだな」
「な!」
「冗談だ。いつもお前は軽いさ、リリー。いつかどっかに行っちまうんじゃないかって不安になるくらいにな」
 ヴェルナーに抱き上げられ、リリーは真っ赤になった。
「ヴェ、ヴェルナー」
「頼むから、何も言わずどっかに消えないでくれよな」
 それこそ、空を飛んでいってしまわないでくれ。耳元でささやかれ、リリーは耳まで赤く染めたまま、こくん、とうなづいたのだった。

Fin


Webclap

あとがき
ヴェルナー×リリー。

久しぶりのアトリエ更新です。

ヴェルリリです。思わずこの絵を見た瞬間、SS書いてました。
ヴぇルリリばんざーい!!身内でも、それ以外でももっとヴぇルリリ蔓延するといいと思いました!

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